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アンダーステア・オーバーステアとは?車の曲がり方とタイヤのグリップ特性

大島 正公開:更新:

こんにちは!小山市のクレスコタイヤサービスです。

車がカーブを曲がる仕組みとステア特性

車がカーブを曲がるとき、タイヤと路面の間で発生する摩擦力(グリップ)が車体を曲げる求心力となり、進路を変えています。

タイヤが発揮できる摩擦力には限りがあり、前後方向の駆動力や制動力と、横方向の旋回力は、同じ摩擦力の範囲を分け合って使っています。そのため、旋回中に強い加速や減速を行うと、横方向に使えるグリップが減少します。

また、タイヤは横方向の力を受けると、車輪の向きと実際の進行方向にわずかな角度差(スリップアングル)が生じ、それに応じて旋回するためのコーナリングフォースを発生させます。

一定のハンドル角度を保ったまま旋回しているとき、速度の上昇や荷重移動、タイヤの状況によって、車がカーブの外側に膨らんでいく特性をアンダーステア、内側に切れ込んでいく特性をオーバーステアと呼びます。これらはタイヤが滑る限界域だけでなく、通常の走行領域における車両の曲がりやすさの特性としても現れる基本的な挙動です。

アンダーステアとは?

アンダーステアとは、一定の舵角を保って旋回しているときに、速度の上昇に伴って車の旋回半径が外側に膨らんでいくステアリング特性を指します。

限界に近い場面では、前輪の横滑りが大きくなり、ハンドル操作に対して十分に曲がれず外側へ膨らみます。

アンダーステアが起きやすい条件

アンダーステアは単一の要素だけで決まるものではなく、車速、路面状況、運転操作、タイヤの状態などが複合して発生します。

  • カーブの曲率に対して進入速度が高すぎる場合
  • 旋回中に前輪へ過度な駆動力が加わった場合(前輪駆動車などでカーブ中にアクセルを強く踏み込むと、前輪の摩擦力が駆動力に使われて横方向のグリップが低下しやすくなります)
  • 雨天など路面の摩擦係数が低く、滑りやすい路面を走行している場合
  • 前輪タイヤの溝が減っていたり、空気圧が適正でなかったりして、前輪のグリップ性能が低下している場合

アンダーステアが起きた時の対処

カーブで車が外側に膨らみ始めたと感じたときは、パニックになってハンドルをさらに強く切り足したり、急ブレーキを踏んだりしないことが重要です。前輪のグリップ限界に達している状態でさらにハンドルを切り込んでも、旋回力は回復せず、かえって滑りを助長する恐れがあります。

基本的な対応は、アクセルを穏やかに緩めて減速させることです。速度が落ちて前輪の負担が軽くなることで、グリップが回復しやすくなります。

ただし、前輪駆動車では旋回中にアクセルを急激に戻すと、前輪の横方向グリップが急激に回復して車体が内側へ急に切れ込む「タックイン」が発生することがあります。どんな場面でも急激な操作は避け、穏やかに速度を落とす操作を意識してください。

オーバーステアとは?

オーバーステアとは、一定の舵角を保って旋回しているときに、速度の上昇に伴って車が内側に切れ込んでいくステアリング特性を指します。

旋回中に前輪よりも後輪の横滑りが大きくなることで発生します。車体後部がカーブの外側へ滑り出し、ハンドルを切った量以上に車体が内側を向くため、挙動が乱れてスピンに至るリスクがあります。

オーバーステアが起きやすい条件

オーバーステアも駆動方式だけでなく、操作や荷重の移動、路面状態によって引き起こされます。

  • 後輪駆動車などで、旋回中にアクセルを強く踏み込んで後輪に過大な駆動力をかけた場合(後輪の横グリップが不足し、外側へ滑りやすくなります)
  • カーブの途中で強いブレーキを踏むなどして、前輪に荷重が移り、後輪の接地荷重が急激に抜けた場合
  • 雨で濡れた路面や滑りやすい路面で、後輪タイヤの摩耗や空気圧不足により後輪の保持力が低下している場合

オーバーステアが起きた時の対処

車体が内側に切れ込み始めると慌てて強いブレーキを踏みたくなりますが、急激な減速を行うと前輪に荷重がかかり、後輪が浮き気味になってグリップ低下を招き、オーバーステアが悪化することがあります。

オーバーステアを感じたときも、急ブレーキや急激なハンドル操作を避け、アクセルを穏やかに緩めて減速します。滑り出してからのリカバリーに頼るのではなく、カーブに入る前の直線でしっかり速度を落としておく予防が大切です。

多くの車がアンダーステア傾向に設計される理由

市販されている多くの乗用車は、走行安全性を考慮して、基本設計としてアンダーステア傾向になるよう設定されています。

オーバーステアは後輪が滑り出してスピンに至る危険性が高いのに対し、アンダーステアは車が外に膨らむ挙動となるため、アクセルを緩めて減速することで走行ラインを修正しやすい傾向があるためです。

ただし、アンダーステア傾向に作られている車であっても、旋回中の急な減速で後輪の荷重が抜けたり、路面環境が急変したりすると、オーバーステアへ挙動が変化することもあります。設計上の傾向を過信せず、常に余裕を持った走行が求められます。

タイヤの状態が挙動を左右する

車のステア特性には、車両の基本設計だけでなく、路面と唯一接地しているタイヤの状態が深く関わっています。

特に雨天時の濡れた路面では、タイヤの摩耗状態が操縦安定性に大きな影響を与えます。JAFの2015年の夏タイヤ試験では、濡れた直線路を100km/hで走行した場合、2分山まで摩耗したタイヤは新品より制動距離が長くなりました。濡れた路面では、速度と残り溝に注意が必要です。

前輪と後輪でタイヤの摩耗差が大きかったり、空気圧が基準値から外れていたりすると、前後のグリップバランスが崩れ、予期せぬアンダーステアやオーバーステアを誘発しやすくなります。

日常の空気圧点検と、車両やタイヤの指定に沿ったローテーションで、タイヤの状態を管理しましょう。

まとめ:ステア特性を理解して安全な走行へ

  • アンダーステアは旋回時に外側に膨らむ特性、オーバーステアは内側に切れ込む特性
  • タイヤの摩擦力は加減速と旋回で共有されるため、旋回中の急な操作はグリップ低下につながる
  • 旋回中の急ハンドルや急ブレーキなどの急操作を抑え、カーブに入る前の直線で十分に減速することが大切
  • 摩耗の偏りや空気圧の過不足を防ぐ日常点検が、前後のグリップバランスを保つ

カーブ手前では、路面や見通しに合わせて十分に速度を落とします。路面の濡れ具合やタイヤの摩耗状況によってグリップ力は大きく変化するため、車の特性とタイヤの状態を正しく把握し、落ち着いた運転操作を心がけましょう。


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