【第9章】前後のタイヤの摩耗差が雨の日の挙動に与える影響
こんにちは。小山市のクレスコタイヤサービスです。
タイヤは、前輪と後輪で同じように摩耗するとは限りません。FF車(前輪駆動車)では前輪が駆動と操舵を兼ね、日本グッドイヤーは一般的な目安として、前輪の寿命を後輪の1/2〜1/3と紹介しています。実際の減り方は使用条件によって異なるため、前後それぞれの点検が必要です。
前後の溝の深さに大きな差があると、濡れた路面で車の挙動が不安定になるおそれがあります。今回は、摩耗差によるリスクと対策を解説します。
前輪の溝が少ない場合
前輪の溝が少なくなると、濡れた路面で排水しにくくなり、グリップを失いやすくなります。カーブで前輪が先に滑ると、ハンドルを切っても思うように曲がらず、車がカーブの外側へ膨らむことがあります。これがアンダーステアです。
後輪の溝が少ない場合
後輪のグリップが先に失われると、車の後部がカーブの外側へ滑り出し、曲がりすぎる方向に動くことがあります。これをオーバーステアと呼び、状態によってはスピンにつながります。
前輪に溝が残っていても、後輪の摩耗が進んでいれば安心できません。
ローテーションで摩耗差を抑える
タイヤローテーション(位置交換)は、装着位置による摩耗差を抑えるためのメンテナンスです。日本グッドイヤーは5,000kmごとを目安に挙げていますが、交換時期と方法は車両の取扱説明書に従います。前後でサイズが異なるなど、位置交換に制限がある車両もあります。
ローテーションで摩耗がなくなるわけではないため、溝の深さや傷の点検も併せて行います。
2本だけ交換する場合は新品を後輪へ
タイヤは4本同時交換が基本です。2本だけの交換が可能な車両で、残る2本も引き続き使用できる場合は、新品を後輪に装着するのが一般的な考え方です。日本ミシュランタイヤのFAQも、やむを得ず2本だけ交換する際は、新品を後輪に装着するよう勧めています。濡れた路面で後輪が先に滑るリスクを抑えるためです。
前輪の摩耗が進んでいる場合は、使用できる後輪を前輪へ移す方法があります。ただし、四輪駆動車などでは2本だけの交換による外径差が故障につながる場合があるため、車両の指定と残るタイヤの状態を確認して判断します。
前後のタイヤを併せて点検する
雨の日の安定性を保つには、4本それぞれの状態を把握することが大切です。前後の溝の深さを確認し、車両の指定に沿ったローテーションや交換で摩耗差を抑えましょう。
クレスコタイヤサービスでは、タイヤローテーションも承っています。
次回は、雨の日・雨上がりに注意したいパンクについて、路上の異物と釘を見つけた際の対処を解説します。