【第6章】悪路で働く軽トラのタイヤ選び。非舗装路・あぜ道に対応する製品の特長と選び方
田畑や建設現場で使う軽トラックのタイヤは、舗装路を走る割合と作業先の路面に合わせて選びます。
軽トラックで田畑やあぜ道、建設現場などの未舗装路に入ると、路面状況によっては標準的なタイヤの溝に泥が詰まり、十分な駆動力が得られずにスリップすることがあります。作業現場や未舗装路を走行する頻度が高い場合は、路面環境とタイヤの設計意図を合わせた選択が欠かせません。
未舗装路向けの設計を持つ製品と、選ぶ際のポイントを紹介します。
M+S表示の意味と雪道における注意点
非舗装路向けのタイヤには、サイドウォールに「M+S(Mud & Snow)」と刻印されている製品が多く見られます。これは泥道(Mud)や浅い雪道(Snow)での走行に配慮したパターンを採用していることを示すメーカー基準の表記です。
M+S表示だけでは、泥道での走破性や静粛性、燃費の優劣は分かりません。製品ごとの特徴を確認することが大切です。また、一定の雪上試験を満たす3PMSF表示とは異なり、氷上性能を保証する表示でもありません。
軽トラック向け悪路対応タイヤの設計と代表製品
軽トラック用の悪路対応タイヤには、オンロードとオフロードのバランスを考慮したブロックパターンや、駆動力を重視したラグパターンなど、メーカーごとに異なる設計思想の製品が展開されています。
ダンロップ TG4
TG4は、オンロードとオフロード双方での走破性と快適性を意識したオールラウンドなサマータイヤです。畑道や砂利道でのグリップを確保しつつ、舗装路での扱いやすさにも配慮されたトレッド形状を備えています。軽商用車向けとして「145/80R12 80/78N」などのサイズが設定されています。
ブリヂストン 604V
非舗装路における直進性や走破性を高めるため、独特のブロックパターンを配置したタイヤです。浅雪での性能にも配慮していますが、氷雪路に特化したタイヤではありません。
ヨコハマ Y828(Y828A)
トレッド面に横方向の溝を配置したラグパターンの軽商用車用タイヤです。サイズには「145R12 6PR」などが設定されています(サイズによってパターン名称がY828Aとなります)。
トーヨータイヤ OPEN COUNTRY R/T
マッドテレーン(泥濘地向け)のトラクション性能とオールテレーン(全地形型)のオンロード性能を両立させるラギッドテレーン設計を採用したモデルです。M+S表示があり、軽トラック向けサイズとして「145/80R12 80/78N LT」(145R12 6PRと互換)がラインアップされています。
使用環境に合わせた選び方
悪路向けタイヤを選ぶ際は、アスファルト舗装路の移動距離と、作業先となる未舗装路の路面状態(深い泥、砂利、固い土など)の比率を基準に検討します。
舗装路と未舗装路の両方を走るなら、TG4や604V、OPEN COUNTRY R/Tなどの製品説明を比較し、日常の移動に必要な性能も確認しましょう。ラグパターンのY828を検討する場合も、実際に走る路面と製品の用途を照合します。
舗装路が中心なら、低燃費や耐摩耗性を重視した一般的な軽商用車用タイヤも候補です。大きな溝のあるタイヤでも、深いぬかるみで必ず進めるわけではありません。路面の状態を見て無理な進入を避けることも必要です。
サイズと負荷能力の確認
軽トラック用タイヤの交換では、車両の指定空気圧表示や取扱説明書に示されたサイズ・規格・必要な負荷能力を満たしている必要があります。
OPEN COUNTRY R/Tの「145/80R12 80/78N LT」は、メーカーが「145R12 6PR」との互換を案内しています。装着時には車両に指定された空気圧を正しく設定することが安全運行の基本です。作業環境の路面状況に合わせて、適切な構造と耐荷重を備えたタイヤを選定してください。
お使いの軽トラックの使用環境や路面条件に合わせたタイヤの選定や、持ち込みタイヤの組み換え作業については、クレスコタイヤサービスまでお気軽にお問い合わせください。